優生思想

おはようございます。

自律サポートカウンセラーの甲斐です。

昨日はIQについて考察してみました。

それでは、今朝は優生思想について考えてみましょう。

 

イギリスの人類学者、統計学者、探検家、初期の遺伝学者フランシス・ゴールトン卿(1822-1911)は、従兄弟のダーウィンの「種の起源」に影響され、家系のデータを収集しました。
ゴールトンは知能は単純な法則に従うと確信していたのです。優れた男女を結婚させれば優秀な民族ができると考えた。優生学です。

生年月日1822年2月16日

『人間能力の研究』という優生学のバイブル的な書物を著し、人間の個人的な能力の差異と優劣の研究を統計学的に推進することが可能であり、優等な形質を有する遺伝子を選別することでより理想的な社会が構築できると考えました。

フランシス・ゴールトンの研究動機は、イギリスのアングロサクソン民族の遺伝的改良であり、人種としての優位性の明示的証明であったと言われますが、彼はその研究の為に自分が強い興味を抱いていた統計学の技法を駆使して膨大な能力の個人差に関するデータを解析していました。

しかし、現代の思慮深い人が少し真剣に考えてみるとわかるように、厳密には、人間の能力や特徴の優劣を客観的な基準で測定することは不可能であるという結論に行き着きます。

人間の知的水準・技芸能力・身体的特徴・身体的能力を、統計学で取り扱い易いように数値化して相対的に比較評価することには所詮限界があり、何に高い価値を置くか、どういった基準や問題で比較するかによって優劣は容易に入れ替わります。
特に、どういった遺伝形質が最終的に種の存続に有利に働くのかといった究極的な遺伝子の質の選別は、人間の主観的な知性によって事前に完全に予測し判別することは不可能であるといえるでしょう。
このように、進化生物学が示唆する自然界の自然選択による個体選別を、人間社会の優勝劣敗に基づく自然淘汰へと歪曲して同一視する思想や考え方を『社会ダーウィニズム』といい、優生学や社会ダーウィニズムは自然主義の誤謬の一典型として認識することが出来ます。

このように優生学の歴史を振り返ってみると、現代ではそのような遺伝的優劣を測定するような差別的思想や非人道的対処は許されないから優生学は過去の学問・思想に過ぎないという感想を抱くかもしれません。

しかし、人権思想の普及が進み、個人の個性として遺伝形質を認知する考え方が一般的になってきた現代社会においても、優生学の基本的思考形態は、個人の内面的価値判断の中で潜在しています。

ゴールトン卿の収集した家系図を見ると、遺伝の影響は決定的に思えます。
一昔前の心理学の教科書には、ダーウィン自身の家系図に加え、音楽家バッハ、数学者ベルヌーイの家系図が掲載されていたのです。
ダーウィンの家系には天才的な人が何人も輩出したし、音楽家バッハ、数学者ベルヌーイの家系でも同様でした。

特別な天才は遺伝するかもしれません。
しかし、一般的な知能は遺伝するのでしょうか?家系図研究では、知能の程度は分かりません。

 

 

ゴダードと家系研究 (カリカックファミリー)

フランスでアルフレッド・ビネ(Binet, A.)の知能検査が発表されると多くの国で関心がもたれ,紹介・翻案がなされました。知能検査を必要としたのは教育学者・教師や医師でしたが,検査の作成には心理学者の技術が必要ですから,心理学者にそういう仕事が回ってきました。

アメリカで最初にビネの検査を翻訳・紹介したのはゴダードです
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生年月日1882年10月5日

彼はクラーク大学のホールの下で博士号を取得し,ニュージャージー州のヴァインランド訓練学校に精神遅滞児を研究するための心理学実験室を設立したことでも有名です。

ゴダードはゴートンの優生学に囚われていました。
知能が単一の実体でありかつ遺伝するという立場に立っていたこともあり,ちょっと奇妙な調査を報告しました。

ヴァインランド訓練学校に入学したデボラ・カリカックという女性の家系調査をしたところ,マーティン・カリカックという男にさかのぼったのですが,その彼は,独立戦争中に知能が低いとされる女性に子どもを生ませたにもかかわらず,後に郷里に戻り,正式な結婚をして子孫を設けたというのです。これは大問題!ということではなく,ゴダードは父が同一である2つの家族の子孫たちを比較して,劣った母の家系からは劣った人間が次々と生み出されるのだとした研究(カリカック家の研究)を公刊したのです。劣った家系とされた子孫のようすは次のような写真で紹介されました。何かすさんだ雰囲気です
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この本の主張は,当時の世論に好意的に受け止められ,優生劣廃学(Eugenics)を推進する力となりました。
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このような絵が世間にアピールしました。

しかし,現在ではこの2つの家系を遺伝で説明するよりは,貧困状況などで説明すべきだという意見が支配的です。また,グールド(Gould, S. J.)が指摘したように,片方の家系の人々の写真に,悪意ある加筆が加えられていたという説もあります(単なる修正だという説もあります)。コラージュとしてまとめている写真もありますから,これを見てください
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単なる加筆なのか,ゴダードが知能の低い人は悪い相貌になると見せたいがための加筆なのか,判断してほしいと思います。

なお,カリカックというのは,ギリシャ語のκαλ??(カロス「良好な」)とκακ??(カコス「好ましくない」)からの合成語です。

参考文献:
Goddard, H. H.(1912). The Kallikak family: A study in the heredity of feeble-mindedness. New York: Macmillan.
IQってホントは何なんだ?

村上宣寛著
日本心理学会 HP
考える脳髄プラスα様ブログ

 

 
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